1日1論文、毎日論文読んでみた!【11日目】

11日目。
30日の毎日論文精読も3分の1を終え、徐々に形になってきた。初めは論文の構成もPECOもよく分からないところから、自分なりの読み方、まとめ方の形ができてきた。
さらに、論文精読後に「医学論文の活かし方」を読むことで、論文から読み取ったことをどのように解釈し、どう実際に活かしていくか、がだんだん分かってきた。

昨日、一昨日からの流れで今日も糖尿病治療薬の論文。
Canagliflozin and Renal Outcomes in Type 2 Diabetes and Nephropathy
カナグリフロジンと2型糖尿病・腎症における腎臓のアウトカムについて
カナグリフロジンは日頃よく扱っている薬なのでこの論文は読みやすいのではないかと予想。

 

要約

  • 2型糖尿病、腎症を有する患者における腎臓病の予後改善効果についての検討。

  • 2型糖尿病およびアルブミン尿のある慢性腎臓病患者を対象とした。

  • 主要評価項目である末期腎不全、血清クレアチの倍増、腎臓または心血管系の原因による死亡のイベント発生率はカナグリフロジン群がプラセボ群より有意に低かった。カナグリフロジン群43.2人/1000人・年vsプラセボ群61.2人/1000人・年、ハザード比0.70

  • 末期腎不全、血清クレアチニン値2倍化、腎臓関連死亡 ハザード比0.66

  • 心不全による入院 ハザード比0.61

  • 下肢切断のリスク、骨折の発生率は両群で同等で有意差はつかなかった。

 

PECO

 

「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き

結果をそのまま受け入れるのではなく批判的な見方をしなければ間違って解釈することもある。特に試験の患者背景(年齢、併用薬、今回であれば腎機能の程度、既往など)を注視する必要がある。今のところ自分は論文の結果をそのまま受け入れている気がするのでこの点には注意したいと思った。批判的吟味大事。
解析方法の違いによって有効性や安全性の過大評価、過小評価に繋がる。

 

まとめ

11日目終了。
「論文に書いてあることが全くわからない」ということは無くなった。それはおそらく
①論文の構成が分かり、どこを見ればなにが書いてあるかが分からないなりにも分かってきたこと
②PECOにより論文を端的に一つの型にまとめることによって頭の中でも整理できていること、(あと、DeepLの翻訳が優秀なこと)
が挙げられると思う。
ただ、まだボヤけて見えている点もあって、それは「ハザード比」や「有意差」等の、わりと明確に言語化できる「統計の基礎」だと思う。そちらの勉強も並行して行っていこう。