1日1論文、毎日論文読んでみた!【22日目】
22日目。
普段の業務がだんだん忙しくなってきた。精読を毎日続け、論文に触れることが大事なんだと思う。継続。
今日の論文はこちら。
Mortality and Morbidity in Patients Receiving Encainide, Flecainide, or Placebo
エンカイニド、フレカイニド、プラセボを投与された患者の死亡率および罹患率
要約
●心筋梗塞後の心室性期外収縮の抑制は、突然死の発生率を低下させるかの検証。
●患者背景
・心筋梗塞後6日目~2年目までの平均年齢61歳の患者。
・18時間以上の心電図で平均6回/hr以上の心室性早期脱分極があり120回/分以上の心室頻拍がない。
・心筋梗塞発症後90日以内の患者は駆出率が0.55以下、心筋梗塞発症後90日以上の患者は駆出率が0.40以下。
・PVCが80%以上,VTが90%以上抑制できた症例。
●結果
・死亡および心停止の相対リスク2.64
エンカイニド群フレカイニド群計43例vsプラセボ群16例
PECO
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
真のアウトカム:患者の人生に重大な影響を与え得る
死亡率、生存率、QOLなど
代用のアウトカム:患者の人生に直接大きくは影響しないが病状や予後の指標となる
血圧、血糖値、腫瘍の大きさなど
一つの論文をじっくり読むと、その病気や薬の背景知識を学ぶことができ、薬剤師としての対応を考えることができる。
まとめ
今日の論文はとても読むのに時間がかかり、要約も難しかった。
最近スムーズに読み、要約をまとめられるようになってきたと感じていたが、最近読んできた論文が比較的簡単だったということが分かった。
古い論文だったためか、論文のフォームが違い、読みづらかったのかもしれない。
後から見返した時にどんな論文だったかすぐに思い出せるようにPECOと要約「1枚」にまとめられるといいなと思う。
1日1論文、毎日論文読んでみた!【21日目】
21日目。
淡々と論文精読、ブログを継続しているが実は若干モチベーションが下がってきていた。
ということで新たな書籍購入しました。まだチラッと眺めた程度だけど、とても良さそう。精読開始の時間もチラリ。
今日の論文はこちら。
THE EFFECT OF SPIRONOLACTONE ON MORBIDITY AND MORTALITY
IN PATIENTS WITH SEVERE HEART FAILURE
重症心不全患者におけるスピロノラクトンの罹患率と死亡率に対する影響
要約
●重症心不全患者に対するスピロノラクトンの死亡リスクの低下の検証。
●患者背景
✓NYHA分類ⅢまたはⅣ
✓ACE阻害薬およびループ利尿薬で治療中
✓左室駆出力35%以下の患者
●死亡率:スピロノラクトン284名(35%)vsプラセボ386名(46%)
死亡リスク30%減少(心不全の進行による死亡リスク低下と心因性突然死のリスク低下による)
●心不全の悪化による入院:スピロノラクトン215名/413名vsプラセボ300名/663名。入院の相対リスク35%減少
●NYHA分類の変化
スピロノラクトン 改善41%、変化なし21%、悪化38%
プラセボ 改善33%、変化なし18%、悪化48%
●有害事象
重篤な高カリウム血症 スピロノラクトン群2%、プラセボ群1%
女性化乳房または乳房痛 スピロノラクトン群10%、プラセボ群1%
(女性化乳房または乳房痛による治療中断 スピロノラクトン10名vsプラセボ1名)
PECO
Pを簡略化しすぎたか?
でもこれはどこまで書くか、というだけで、うまく捉えられていないとかではないので良しとする。
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
●対象者の集団をきちんと把握しておかないと、違う集団に適用させようとして違う結果になることがある。
●意見を出している3名とも同じ研究「N Engl J Med.2004;351:543-551.PMID:15295047(カナダでのスピロノラクトンの研究)」を例に出し、一つの研究の結果だけで判断すべきでない、ということを書いてあった。そこで結果が相反する場合はどう考えたらいいのか?と考えていたところ、ちょうどコラムに分かりやすく解説してあった。
→相反する結果を示した論文に出会った時は「被験者集団の違い」を確認する。
まとめ
今日の論文もとても読みやすかった。ランダム化比較試験が読みやすいのか?
自分なりに「要約」の結果を分かりやすくまとめられるようになってきた気がする。また、精読の流れが確立してきたので記録しておきたい。
この調子で明日からも論文精読がんばります。
※論文を読み始めてまだ浅い素人が書いています。間違いやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。
1日1論文、毎日論文読んでみた!【20日目】
毎日論文精読20日目。
今日の論文はこちら
The Cardiac Insufficiency Bisoprolol Study II (CIBIS-II)
心不全におけるビソプロロール試験Ⅱ
要約
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ビソプロロールが慢性心不全の全死亡を減少させるかの検討。
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18歳以上80歳未満で左室駆出率が35%以下のNYHAクラスⅢまたはⅣの心不全患者。
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死亡率:ビソプロロール156例11.8vsプラセボ228例17.3%
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推定年間死亡率:ビソプロロール8.8%vsプラセボ13.2% HR0.66
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心血管系死亡:ビソプロロール119例9%vsプラセボ161例12%
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全ての原因による入院:ビソプロロール440例33%vsプラセボ513例39%
PECO
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
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もともと心不全に禁忌薬とされていたβ遮断薬がこの研究を含めた新しい研究により治療薬として使用されるようになった。情報のアップデートの重要さを感じた。
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薬理作用を根拠にした定説は、実際に臨床試験を行うと覆ることがよくある。これは常に論文情報を学び続ける理由になる。
まとめ
・今日の論文は読むのに特に難しいものではなかったと感じた。
・今までの型にはめて行うことができたが、少しマンネリ化してきている節があるので今の型になにか追加したり改善をしていければと思う。
※論文を読み始めてまだ浅い素人が書いています。間違いやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。
1日1論文、毎日論文読んでみた!【19日目】
19日目。
今日も論文精読!
今日の論文はこちら。
Treatment of Hypertension in Patients 80 Years of Age or Older
80歳以上の高血圧患者の治療
要約
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80歳以上の高血圧患者に対する降圧療法の脳卒中リスク低減効果についての検討。
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80歳以上の持続性高血圧症を有する患者を対象とした。
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除外基準は試験薬使用の禁忌、促進性高血圧、二次性高血圧、過去6ヶ月間の出血性脳卒中、降圧薬治療を必要とする心不全、Scr1.7mg/dL以上、血清K3.5未満、血清K5.5以上、痛風、認知症の診断、要介護の診断。
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あらゆる原因による死亡は積極的治療群で47.2%、プラセボ群で59.6%、ITT解析で21%減少。
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心血管系原因による死亡は積極的治療群で23.9%、プラセボ群で30.7%、ITT解析で23%減少。
PECO
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
・相対リスク減少率では大きく減少しているように見えてもNNTでみると大きな差は感じず、受ける印象が変わる。
・主要評価項目に有意差がついていないことをどう捉えるか。降圧薬を飲みたくない患者に対して無理に進めないという判断もできる。
まとめ
19日目終了。
今日の論文は主要評価項目や副次評価項目が分かりやすかったので読みやすかった。内容的にも気になる内容だったので頭に入ってきやすかった。人に論文精読を勧める時はこの論文を導入にしてもいいかもしれない、と思える読みやすい論文だった。
自分なりの論文精読の形ができてきているのでその形をまとめてみるのもいいかもしれない。今後ぼちぼちまとめてみようと思う。
※論文を読み始めてまだ浅い素人が書いています。間違いやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。
1日1論文、毎日論文読んでみた!【18日目】
18日目。
今日も論文読んでいく!
今日の論文はこちら。
Major outcomes in high-risk hypertensive patients randomized to angiotensin-converting enzyme inhibitor or calcium channel blocker vs diuretic
ACE-IまたはCa拮抗薬と利尿薬に無作為に割り付けられた高リスク高血圧患者における主要転帰
要約
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Ca拮抗薬、ACE-Iによる治療が利尿薬における治療と比較して冠動脈疾患またはその他の心血管イベントの発生を低下させるかを検討した。
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55歳以上、1期または2期の高血圧を有し、冠動脈疾患イベントの危険因子(6か月以内の心筋梗塞または脳卒中の既往、心電図または心エコー検査による左室肥大、2型糖尿病歴、喫煙、HDLコレステロール35mg/dL未満、他の動脈硬化性心血管疾患)を少なくとも1つ持つ患者を対象とした。
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主要評価項目(致死的冠動脈疾患または非致死的心筋梗塞の複合)の6年率 クロルタリドン11.5% vsアムロジピン11.3% vsリシノプリル11.4%
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主要評価項目のクロルタリドンと比較した相対リスク アムロジピン0.98、リシノプリル0.99 有意差なし
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全死亡率 3群間に有意差なし。
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6年間の心不全発症率 アムロジピン(10.2%)vsクロルタリドン(7.7%)相対リスク1.38、リシノプリル(8.7%)vsクロルタリドン(7.7%)相対リスク1.19
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6年間の脳卒中リスク リシノプリル(6.3%)vsクロルタリドン(5.6%)相対リスク1.15
PECO
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
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本文中でも指摘されている通り非黒人集団ではRAS阻害薬の反応性が低い。人種による遺伝的素因も検討する必要がある。
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「研究の背景を考える」という視点が今までなかったのでとても気づきが多かった。「当時すでに使用されている利尿薬に対し、新規のCa拮抗薬、ACE-Iの効果、副作用がどの程度であるかを調べる必要があった」ために研究が行われた、というとてもシンプルではあるが気づいていなかったことを知ることができた。このような研究の積み重ねで第一選択薬やガイドラインが定められていくのだと実感できた。
まとめ
18日目終了。
結果の箇条書きがなかなかうまくいかず時間がかかった。今回の論文が3群の比較であったのもうまくいかなかった理由かもしれない。「医学論文の活かし方」ではきれいに箇条書きでまとめれたていたので参考にして明日に活かしたい。
※論文を読み始めてまだ浅い素人が書いています。間違いやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。
1日1論文、毎日論文読んでみた!【17日目】
17日目。
今日も論文精読。
今日の論文はこちら。
A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control
集中的な血圧コントロールと標準的な血圧コントロールの無作為化比較試験
タイトルから受ける印象はとてもシンプル。読みやすいのか、逆に難しいのか。
要約
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心血管イベントリスクの高い患者における血圧コントロールの有効性を検討した。
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50歳以上、収縮期血圧130~180mmHg、心血管イベントリスク増大(脳卒中以外の心血管疾患、多発性嚢胞腎を除く慢性腎疾患、eGFR20~60ml/min/1.73㎡の一つ以上)の3つの条件を全て満たす患者を対象とした。
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3.26年間での平均収縮期血圧は集中治療群で121.5mmHg、標準治療群で134.6mmHgであった。
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主要複合転帰(心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全、心血管系原因による死亡)の発生率は標準治療群(2.19%/年)に比べ集中治療群(1.65%/年)で有意に低かった(HR0.75)。
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心血管系死亡の相対リスクは標準治療群より集中治療群で43%低かった。
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慢性腎臓病を発症していない患者ではeGFR30%以上低下、eGFR60ml/min/1.73㎡未満となる転帰の発生率が標準治療群(0.35%/年)に比べて集中治療群(1.21%/年)で高かった(HR3.49)。
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重篤な有害事象(低血圧、失神、電解質異常、急性腎障害または急性腎不全)は集中治療群38.3%、標準治療群37.1%で発生した。
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転倒や徐脈は標準治療群に比べ集中治療群で多く発生した。
PECO
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
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論文抄読会のお題論文にぴったりというのは頷けた。薬剤師として働いていて高血圧症の患者に会わないということはないし、目的がとてもシンプルな論文なので興味が湧きやすいと感じた。
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最近アブストラクトが読みやすいと感じていたが、NEJMのアブストはよくまとめられていて読みやすいらしいということが分かった。今後自分で論文を検索して読むときもNEJMを優先して読むようにしたい。
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この書籍では「結果」の項目に箇条書きでとても簡潔にまとめられている。自分も要約の時に結果を箇条書きにしてまとめた方がいいかもしれないと思った。後から見返したときもそちらの方が分かりやすい気がする。
まとめ
17日目終了。
最近スムーズに論文を読めている。
明日から「要約」の結果のまとめ方を箇条書きにしてみる。
※論文を読み始めてまだ浅い素人が書いています。間違いやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。
1日1論文、毎日論文読んでみた!【16日目】
16日目。
今日も論文を読み進めていく。
今日の論文。
Telmisartan, Ramipril, or Both in Patients at High Risk for Vascular Events
血管系イベントのリスクが高い患者におけるテルミサルタン、ラミプリル、またはその両方の治療法
今日はShaperの調子がよくサクサク翻訳が進む。
要約
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心血管系イベントリスクの高い糖尿病患者における、ACE阻害薬ARB、またはそれらの併用による心血管系疾患イベントの予防効果を評価した。
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平均年齢66歳、男女の冠動脈疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患、末端臓器障害を有する糖尿病患者を対象とした。
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主要評価項目はラミプリル群1,412例(16.5%)に比べ、テルミサルタン群1,423例(16.7%、HR1.01)、併用群1,386例(16.3%、HR0.99)であった。
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ラミプリル群はテルミサルタン群と比べて咳嗽(4.2%vs1.1%)、血管浮腫(0.3%vs0.1%)の副作用が有意に多かった。
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低血圧はラミプリル群1.7%、テルミサルタン群2.6%、併用群4.8%であった。
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腎機能障害は併用療法群13.5%、ラミプリル群10.2%であった。
PECO
3者比較になるので介入と対照をどの様にするか迷った。
「医学論文の活かし方」を読んで感じたこと、覚え書き
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あくまで一論文から得られるのは一結果なので一論文から得た知見をそのまま臨床で使うのは危うい。医師への提案の根拠としたり、服薬指導時の患者へのアドバイスには活用可能かもしれない。
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Methodから患者背景をきっちり把握しておかないと目の前の患者に適用できるかどうかの判断を誤ってしまう。今回で言うとBMIが日本人平均と比べて高い点を見落としていた。
まとめ
16日目終了。
30日の毎日論文精読も半分を過ぎた。
昨日も書いたが論文精読、まとめの自分なりの形ができたので今の調子で30日目まで続けていければと思う。
あとは統計についても興味が出てきたのでそちらの勉強もぼちぼちしていきたい。
※論文を読み始めてまだ浅い素人が書いています。間違いやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。